福祉社会学研究
Online ISSN : 2186-6562
Print ISSN : 1349-3337
自由論文
高齢者地域包括ケアにおけるネットワーク構築とその効果
サンフランシスコ・ベイエリアにおけるPACEプロパイダの事例分析
宮垣 元
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2013 年 10 巻 p. 193-214

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抄録
米国における高齢者地域包括ケアであるPACE(Program of All- Inclusive Care for the Elderly) の特徴は,多職種チームによる協働型に 統合されたケア体制やメディアケア・メディケイドからの人頭払いにより 在宅や予防ケアへのインセンティブを内包した財政モデルである..本稿で は, こうしたPACEの特性を踏まえ,それらを効果的に機能させる組織 運営レベルの要因を明らかにすることを目的に,サンフランシスコ・ベイ エリアで活動を行う2つのPACEプロバイダの事例分析を行った. 限られた財源の中で包括ケアを実施するためには,高コスト化につなが る重篤化を招かないよう予防,在宅ケアの比重を高めることだが,地域コ ミュニティ内で多様な利用者に対するあらゆるサービスを単独組織が行う ことは困難であることから,その多様性に対応するため地域資源との提携 や協力関係の構築が組織の運営上重要となる.したがって,このようなネッ トワーク構築は,規範的なものではなく,むしろ戦略的なものといえ,各 プロパイダともそのための人的ネットワークの構築に多くのコストをかけ ている.また,こうした人的ネットワークの構築が,結果として利用者獲 得につながる潜在的ニーズの発掘、組織間の架橋と協働促進という副次的 な効果を生んでいる.NPO発祥の高齢者の高い満足度と経済性を両立 するユニークなケアモデルはこうした地域コミュニティ内のネットワー クの存在を背景にはじめて効果的に機能するという実態が明らかとなっ た.
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© 2013 福祉社会学会
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