抄録
投球動作において加速相での過度な肩関節水平外転位は投球障害の原因の一つとされ,それにはearly cocking相における肩関節水平外転角度の増加が影響していると考えられている.本研究では,投球面の概念を用いてearly cocking相における肩関節水平外転角度の増加の要因を明らかにすることを目的とした.対象は野球投手267名とし,計測にはモーションキャプチャ • システムを用いた.投球面はearly cocking相において上腕が描く軌跡に対して平面近似を行うことで設定した.検討項目は,投球面の傾きと肩関節最大水平外転位における肩関節水平外転角度,肩関節外転角度との関係とした.結果は,胸部に対して投球面の傾きが大きくなると肩関節水平外転角度が増加する傾向を示し,肩関節外転角度は減少する傾向を示した.本研究結果より,投球面を用いた投球動作解析は,障害予防の観点から有用であると考えられる.