2015 年 39 巻 3 号 p. 612-614
電流知覚閾値(CPT)検査は知覚神経の選択的かつ定量的な検査である.肩関節疾患患者の知覚の変化を明らかにするためにCPTを調査した.対象は26例26肩,平均年齢45.5歳である.CPTの健患比・健患差を算出し,夜間痛の有無,VAS,Shoulder36の疼痛ドメイン,JOAスコアの疼痛点数,疼痛の自覚から計測までの期間(疼痛期間)との関連を検討した.各刺激の健患比・健患差に有意差は見られなかった.5Hz刺激において,夜間痛あり群は有意に健患差,健患比が大きく(p<0.05),5Hz健患差と運動時のVASとの間に中等度(R=0.457,p<0.05),夜間のVAS及び疼痛期間との間に弱い正の相関(R=0.295, 0.357; p<0.05, 0.01)を認めた.C線維を介した中枢感作による影響が示唆された.