抄録
過去にわれわれはbiceps-radial MRI(BR-MRI)による上腕二頭筋腱長頭(LHBT)病変およびpulley病変の術前診断の有用性について報告してきた.今回われわれはBR-MRIによる腱板断裂に伴うLHBT病変診断の詳細について検討した.肩関節鏡手術を施行した腱板断裂症例からLHBT亜脱臼/脱臼,LHBT部分断裂/断裂を呈した4例4肩を抽出した.BR-MRI所見と関節鏡所見を比較して特徴的所見を検討した.BR-MR像で関節上結節からの結節間溝までLHBTおよびpulleyの連続横断面を追跡できるため,結節間溝入口部周囲のLHBT病変をそれぞれ診断可能であった.腱板断裂の診断にMRIが用いられるが,LHBT病変に対する処置を術前計画することは難しい.BR-MRIは結節間溝入口部周囲の描出力に優れており,LHBT病変を有する腱板断裂の術前診断の一助になると考える.