抄録
炭素陽イオン生成反応への各種電子求引性基の効果・考察を報告する。α位またはβ位に電子求引性基(CF3, CN, COMe, COOMe)をもつβ-アリールエチルトリフレートを合成しソルボリシス反応を解析した。NMRによる反応追跡によりアリール関与反応速度kΔを,競争するksやE2反応から分離決定できた。β位の電子求引性基はそのσ*置換基定数にほぼ比例した減速効果をkΔに与えていた。しかしながら,α位についてはCN基だけでなく,共鳴安定化を否定する報告のあるカルボニル置換基でも電子求引性による減速効果を打ち消す効果が観測された。α,α-diCF3でも減速は小さく,原系の不安定化が考えられた。逆電子供与共鳴,原系の不安定化について理論計算も含め検討した。