2012 年 2012 巻 63 号 p. 82-86
近年,宮城県内のセリ産地(種田)において問題となっているセリ菌核病,白絹病および各種雑草に対する蒸気土壌消毒の効果を検討した.試験は11 月上旬に気温16.1℃,地温12.4℃,土壌水分約30%の条件下における畑転換圃場で行い,土壌表面を被覆したビニール膨張後,約3 時間の蒸気土壌消毒を行った.その結果,地表面からの深さ15cm 位置の地温は70℃で15 分あるいは60℃で255 分持続し,埋設したセリの菌核病および白絹病の菌核,セリ圃場の主要雑草種子および塊茎に対して高い死滅効果が認められた.以上のことから,転換畑を対象とした蒸気土壌消毒は,深さ15cm までの作土層中におけるセリ土壌病害,主要雑草の同時防除対策として有効であると考えられた.