2017 年 2017 巻 68 号 p. 97-101
高濃度炭酸ガスのくん蒸による害虫防除法は,薬剤抵抗性害虫対策や薬剤防除の労力削減につながっているが,病害防除における利用の可能性を探るため,定植前のイチゴ苗を用いて,イチゴうどんこ病に対する防除効果を検討した.イチゴのナミハダニに農薬登録がある炭酸ガス濃度60%, 24時間,温度30°C 処理条件で,うどんこ病菌接種前後にイチゴ苗を処理した結果,うどんこ病菌の接種1日後,5日後および発病初期となった接種12日後に処理した場合,その後の発病が抑制された.この中で,発病前の接種5 日後処理は,約30日間という長期間,発病程度を低くすることが明らかとなった.一方,うどんこ病菌接種前の処理は,効果が認められなかった. このことから,発病抑制作用は,殺菌的または静菌的に働いていると考えられた.