日本航空宇宙学会誌
Online ISSN : 2424-1369
Print ISSN : 0021-4663
ISSN-L : 0021-4663
特集 小型推進系が切り拓く超小型衛星の未来 第7回
超小型高推力密度エレクトロスプレースラスタの研究開発
鷹尾 祥典土屋 智由長尾 昌善村上 勝久
著者情報
ジャーナル 認証あり

2019 年 67 巻 1 号 p. 5-11

詳細
抄録

推進剤にイオン液体を用い,微細加工技術を利用した多数のアレイ状電極からイオンビームを引き出すエレクトロスプレースラスタが注目を集めている.高圧ガス系を利用しないことによる小型化が容易な点,および,推進剤から直接イオンを引き出すため原理上100%近い推進効率を期待できる点から超小型衛星に適した推進機と目されている.また,微小な推力制御に向いた方式であるため,宇宙重力波望遠鏡の技術試験機(LISA Pathfinder)に搭載され,既に宇宙空間での運用も実証されている.しかし,1つの電極から引き出される電流は微量(<~1μA)であるため,推力密度はイオンスラスタよりも1桁以上小さい.従来用いられてきたMEMS(Micro-Electro-Mechanical System)プロセスによる実装密度には限界があり,著者らは新たに電界放出電子源(FEA : Field Emitter Array)のプロセスを利用した2桁小さい電極間隔(密度は4桁増)のアレイ状電極を製作した.本稿では,高推力密度化を目指した研究開発状況について紹介する.

著者関連情報
© 2019 一般社団法人 日本航空宇宙学会
前の記事 次の記事
feedback
Top