日本航空宇宙学会誌
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67 巻 , 1 号
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連載 TOP POINT ~学会賞受賞者の声~
特集 小型推進系が切り拓く超小型衛星の未来 第7回
  • 鷹尾 祥典, 土屋 智由, 長尾 昌善, 村上 勝久
    2019 年 67 巻 1 号 p. 5-11
    発行日: 2019/01/05
    公開日: 2019/01/05
    ジャーナル 認証あり

    推進剤にイオン液体を用い,微細加工技術を利用した多数のアレイ状電極からイオンビームを引き出すエレクトロスプレースラスタが注目を集めている.高圧ガス系を利用しないことによる小型化が容易な点,および,推進剤から直接イオンを引き出すため原理上100%近い推進効率を期待できる点から超小型衛星に適した推進機と目されている.また,微小な推力制御に向いた方式であるため,宇宙重力波望遠鏡の技術試験機(LISA Pathfinder)に搭載され,既に宇宙空間での運用も実証されている.しかし,1つの電極から引き出される電流は微量(<~1μA)であるため,推力密度はイオンスラスタよりも1桁以上小さい.従来用いられてきたMEMS(Micro-Electro-Mechanical System)プロセスによる実装密度には限界があり,著者らは新たに電界放出電子源(FEA : Field Emitter Array)のプロセスを利用した2桁小さい電極間隔(密度は4桁増)のアレイ状電極を製作した.本稿では,高推力密度化を目指した研究開発状況について紹介する.

特集 航空機の到着管理システムに関する研究 第4回
  • 手塚 亜聖
    2019 年 67 巻 1 号 p. 12-18
    発行日: 2019/01/05
    公開日: 2019/01/05
    ジャーナル 認証あり

    本稿では交通運輸技術開発推進制度「航空機の到着管理システムの研究」における気象データの利用方法に関する研究成果として,先行機のダウンリンクデータの活用による航空路の風予測精度の向上について説明する.ダウンリンクデータによる実運航の対気速度に対し気象庁MSM数値予報モデルの風向・風速を加えて対地速度を算出し比較したところ,対地速度の比は風の予測精度の影響により1σ~1%程度で分布する.この予測精度の向上策として,同一の航空路を飛行する先行機のダウンリンクデータを活用し,後続機の風の予測値とすることで,先行機との時間間隔が30分程度以内であれば,予測精度が向上することを説明する.更に,上昇・降下率や飛行経路の違いにより緯度・経度・高度の異なるルートを飛行したデータとも比較・考察する手段として2次元のカラーマップを用いた作図法を考案し,水平面位置の違いによる差異を可視化した考察について説明する.

特集 輸送機C-2の開発 第9回
  • 橋口 勝一, 佐藤 文幸, 佐々木 芳之
    2019 年 67 巻 1 号 p. 19-23
    発行日: 2019/01/05
    公開日: 2019/01/05
    ジャーナル 認証あり

    C-2輸送機(以下「C-2」という)は,航空自衛隊において運用されている輸送機C-1等の後継機として,有事の他,国外運航業務を含む航空輸送任務に使用するために開発され,平成21年度から平成28年度に飛行試験を行い,機能性能が実環境下において設計目標を満足することを確認した.飛行試験のうち機体各種系統試験は,操縦,油圧,降着,推進等各系統の機能性能を確認するものであり,緊急用の油圧系統であるRAT(Ram Air Turbine)油圧供給や飛行状態におけるエンジン再始動等の機能性能を確認した.また,C-2は飛行中に空中給油機より燃料を受油するための空中受油機能を有しており,飛行状態で空中受油機能に関する機能性能についても確認した.本稿では,空中受油系統を含めた機体各種系統に関する試験内容及び結果を紹介する.

特集 実フライトレイノルズ数への空気力学の挑戦 第5回
  • 吉田 憲司
    2019 年 67 巻 1 号 p. 24-30
    発行日: 2019/01/05
    公開日: 2019/01/05
    ジャーナル 認証あり

    JAXAは2つの飛行実験プロジェクト(NEXST-1,D-SEND)と要素技術研究(S3プログラム)を通して次世代超音速旅客機の先進的設計技術の研究開発を行ってきた.本解説ではそれらで検証された空力設計概念におけるRe数効果の考察結果をまとめる.第1の話題は自然層流翼設計概念である.JAXAは実機相当の高Re数条件で自然層流翼設計が可能となる新しい設計圧力分布を創出し,設計を可能とした.第2の話題は低ソニックブーム設計概念である.一般に大気の粘性はこの設計概念にほとんど影響を与えないが,機体長が長くなるほど先端及び後端での圧力上昇への大気乱流の影響に差が生じる可能性が示唆されている.第3の話題は低速高迎角特性におけるCFDの乱流モデルである.Re数効果を含む風洞試験とCFD結果を比較することでSA-RC乱流モデルの最適なパラメタ値が明らかになった.

特集 「きぼう」日本実験棟 簡易曝露実験装置(ExHAM)を支えるミッションと利用計画 第8回
  • 渕田 安浩, 人見 尚, 石川 洋二, 苅田 基志, 井上 翼, 馬場 尚子
    2019 年 67 巻 1 号 p. 31-34
    発行日: 2019/01/05
    公開日: 2019/01/05
    ジャーナル 認証あり

    カーボンナノチューブ(CNT)は,1991年に発見され,ダイヤモンドのような立体構造ではなくグラフェンが筒状になった原子構造が特徴的な1次元物質である.さらにCNTは軽量,高強度かつ高い導電性を有することから,構造材料,リチウムイオン電池の電極材料,配線材料や半導体への利用展開も期待されている材料である.本実験では,CNTを宇宙エレベーターのケーブル材料に利用する場合に,宇宙環境における耐宇宙環境性を調査することを目的とした.宇宙エレベーター建設のためには,あらゆる高度での宇宙環境へ対応する必要があるが,高度約400kmでの曝露実験を通して,要求性能の設定へもつなげる.本報告では,1~2年間の曝露試験を通して,CNTの細撚りおよび太撚り撚糸を用いて,宇宙曝露前後における機械的特性の評価および外観変化の観察などを行い,地上対照試験と比較した結果について紹介する.

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