抄録
(Ca0.5Sr0.5)TiO3ペロヴスカイトのAサイトにおける超周期構造をX線構造解析によって明らかにした。(Ca1-xSrx)TiO3 (0 ≤ x ≤ 1) は、斜方晶系に属するCaTiO3と立方晶系に属するSrTiO3のふたつを端物質とし、比較的イオン半径の大きなAサイトのイオンによる固溶体である。これまでAサイトが固溶しているの固溶体の研究はBサイトのそれに比べてあまりおこなわれてこなかったが、過去の本研究室の研究から、種々の x の値におけるこの物質の構造が明らかにされてきた。それによると x = 0.65のときには正方晶の構造を採り、それより x が小さい領域では斜方晶系、x が大きい領域では立方晶系の構造を採る。しかし今回同様の方法によって得られた(Ca0.5Sr0.5)TiO3の結晶のX線写真を撮影した結果、これまで考えられていたa、b、cの各格子にそれぞれ倍の周期を持つことが見付かった。そこでこの結晶をX線四軸回折計によって精密に解析した結果、この物質は実際にはx = 0.5の領域では立方晶系Pm3mの構造を採ることが分かった。これは従来考えられてきたこの物質の相図を大きく書き換えることになる。