抄録
紡糸法として提案された相分離法をポリスチレンの多孔性製膜などの加工に利用する可能性を検討するため, θ 溶媒 (ナフタリン, ビフェニル, アントラセン) を加え, 添加量が融液のレオゴニオメトリー特性および相分離温度に与える影響を調べた結果,
1) 融液粘度, その活性化エネルギーせん断弾性率のθ溶媒添加による低下はポリオレフィンに関する既存文献と同様であった。
2) 粘度のせん断速度依存性のθ溶媒添加による変化は流動単位が大きく, また不均一になることを暗示した。
3) θ 溶媒が少ないと冷却相分離が不明りょうになり, 多いと融液強度が減少する。
4) θ 溶媒の種類においてアントラセンの相分離温度が高いほか, レオロジー特性の差は少ない。
5) ポリスチレンのみの製膜は困難でも, 他の基質上に融液塗装して多孔層を生成することは有望であろう。