2020 年 67 巻 1 号 p. 79-83
栃木県内のモモ産地で被害を生じているクビアカツヤカミキリについて,被害樹を伐倒・解体し樹内の幼虫寄生状況を調査した。2018年5月,2018 年 9 月および 2020 年 2 月に各 1 本のモモ樹を解体調査した結果,それぞれ幼 280 頭,66 頭および 39 頭が得られた。幼虫の寄生は特に主幹や主枝分岐部といった低位置で多かったが,最高で株元から 520 cmの位置でも確認された。また,結果枝・側枝では被害は認められなかったが,主枝・亜主枝では直径 4.5 cm以上の枝で幼虫の寄生が認められ,直径が大きくなるほど幼虫寄生密度が高まる傾向があった。幼虫の頭幅は最小 0.7 mm,最大 6.9 mmであった。調査時期による頭幅の分布にほぼ差はなく,いずれの時期でも多様な頭幅の個体が認められた。幼虫の頭幅は寄生位置が樹木の表層から深い位置に向かうほど大きくなった。なお,頭幅の分布において齢に対応すると考えられる明確なピークは認められなかった。