主催: 日本理学療法士協会 九州ブロック会
会議名: 九州理学療法士学術大会2021 from SASEBO,長崎
回次: 1
開催地: 長崎
開催日: 2021/10/16 - 2021/10/17
p. 80
【はじめに】
利用者の自宅などを訪問する中で、「自宅内移動」・「入浴」・「トイレ動作」は、日常生活の中でも自立度の向上や家族の介助量負担軽減において、特に優先順位は高いと思われる。通所リハビリテーション(以下、通所リハ)利用時に訪問指導した際、手すりに関しては既に設置されていることが多いと感じた。そこで、今回当院通所リハ利用者においてどのような福祉用具・住宅改修(以下、住改)サービスが自立度の向上に繋がっているのかを調査をしたのでここに報告する。
【対象と方法】
当院通所リハ利用者72 名に対して、本人、家族及びケアマネジャー(以下、CM)から福祉用具・住改サービスの現状や利用後の自立度の変化、満足度などについてアンケート及び聞き取り調査を実施した。
【結果】
利用者72 名中、サービスの利用者数は60 名であり、両サービス利用者は26名、福祉用具のみ利用者24 名、住改のみは10 名であった。サービス導入時利用者の自立度は、障害老人の日常生活自立度(以下、自立度)別でみるとA:36 名で半数以上を占め、次いでB:13 名、J:11 名であった。サービス内容については、福祉用具利用は全体で延べ87 個、ベッドが21(24%)で最も多く、入浴補助具17、歩行器15 の順となっていた。それらを自立度別に分類するとA が52(60%)と一番利用していたが、一人当たりでみるとB が2個と最も多い結果であった。住改は全体で延べ45 個、手すり設置工事が37(82%)と大多数を占め、設置場所については玄関・トイレ・浴室・廊下の順に多く、寝室は福祉用具としてエクステンションバーを利用している方が数名いた。サービス導入後の自立度の変化別で向上20 名、維持35 名、低下5 名であった。向上群20 名の内訳はA:12 名(60%)、B:8 名(40%)でJ は無く、19 名(95%)の方が福祉用具もしくは両サービスを利用していた。サービスに関しては手すり設置が13 名(65%)で最も多く、次いで歩行器9 名、入浴補助具8 名の順となっており、12 名(60%)にリハ職種がサービス導入時介入していた。全利用者のサービス利用後の満足度は、とても満足・ほぼ満足が約7割を占める結果となった。
【考察】
福祉用具や住改サービス利用は、利用者ができる限り安全に生活していくための自立支援的に利用されることと、介護者の介護負担軽減のための目的があると言われている。今回の調査では、当院の利用者は自立度が高いものは自立支援、低くなるにつれ自立支援と介護的要因でサービス利用されているため福祉用具の利用が多くなっていると推察される。またサービス利用の多いものが自立度の向上につながっており、利用者の自立支援や介護軽減のための一助として利用されていることが確認できた。向上群利用者の多くが手すりや歩行器を利用しているが、手すりは機能向上よりは安全性や機能維持目的での改修、歩行器は歩行の安定性向上や活動範囲の拡大などによってこのような結果になったのではないかと推察する。またセラピストの介入も自立度向上に繋がっており、今後更なる関与が重要であることが分かった。
【まとめ】
当院通所リハビリ利用者の大半は福祉用具や、住改サービスを利用していた。在宅生活を継続するにあたり、福祉用具の導入や手すり設置などの住改及びセラピストの介入が自立度向上の一助に繋がることが示唆された。今後は動作指導も含め、調査を継続し、利用者がより良い在宅生活を営むために、退院前などのより早期からCM や業者の方などの他職種の方との連携を強化していきたい。
【倫理的配慮,説明と同意】
ヘルシンキ宣言に沿って個人情報に配慮して対象者には説明と同意を得た。