水は社会経済活動に不可欠な資源であり、社会資本のなかでも安全・安心な水資源・インフラ整備は重要な政策課題である。近年の気候変動に伴う台風や集中豪雨等により水害が多発化している。その経済的な被害は、サプライチェーンを介して広範囲に広がり長期化する傾向にある。水害リスクの評価においては、水害発生時の直接的な被害に加えて、被災後の間接的な被害の把握が重要である。本稿では、洪水等の水害がもたらす時空間的な経済被害の推計方法を提案する。九州の矢部川流域と筑後川流域を対象に、想定される水害リスクが、流域や周辺地域の生産活動に及ぼす経済被害を評価する。