哺乳類科学
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岩手県北上高地における自動撮影によるニホンジカ(Cervus nippon)の日周活動性の推定
高橋 聖生東出 大志藤田 昌弘米田 政明
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2012 年 52 巻 2 号 p. 193-197

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抄録
岩手県北上高地の北部において,ニホンジカ(Cervus nippon,以下シカと記す)の日周活動を調査した.約336 km2の調査林内に80台の自動撮影カメラを設置した.設置期間は2011年6月25日から8月19日の56日間で,調査努力量は延べ3,206日・台だった.その間に撮影されたシカの動画は112本,連続撮影の影響を考慮して算出したイベント数は50件だった.最もイベント数の多かった時間帯は日没後の19時台で,日中と夜間の比較では夜間の撮影が多かった.このため,調査地のシカの捕獲には,夜間の罠猟や日没前の待ち伏せ式の銃猟,日中の追い出しによる銃猟が有効と考えられた.事前に活動時間帯を調査しておくことで,シカの捕獲作業を効率化できると思われる.
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© 2012 日本哺乳類学会
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