2019 年 39 巻 1 号 p. 119-130
従業員への健康投資により企業価値向上を実現する経営スタイルとして健康経営が注目され,流行の経営手法として多くの企業が取り組んでいる。サンスターは健康経営の取り組みそのものからイノベーションを生み出し企業価値向上に活かしてきた。早くから従業員の健康に投資しており,従業員向け健康増進施設で提供する玄米菜食を基本とした健康メソッドから「健康道場」ブランドを創出した。当初から健康経営を本業に取り込み,経済的価値を得ることを念頭に置いていた。同社の取り組みには,従業員の健康増進とその健康メソッドを活かしたビジネス創出を両立するCSVの視点と,モノ(健康道場ブランド)とサービス(健康メソッド)とを一体化して価値共創するサービス・ドミナント・ロジックの視点がみられる。