2022 年 42 巻 1 号 p. 17-27
マーケティング・ミックスはマーケターが最初に習うツールであるが,4つのPがどのように組み合わされているのかという問題はこれまで明確に扱われてこなかった。その理由は,社会科学で主流となった回帰分析では,3つ以上の変数の組み合わせの検討が困難だったためである。本論では,結果変数として,(1)ターゲットの価格弾力性の高低,(2)製品分類(買回品/最寄品),(3)トップ・シェアか否かの3つを設定し,それらを実現するマーケティング・ミックスについて仮説を提唱した。そして,日本の消費財メーカーから得た製品レベルのマーケティング・ミックスのデータ(n=167)を収集し,質的比較分析(QCA)を用いて,マーケティング・ミックスの組み合わせを検討した。