2026 年 46 巻 3 号 p. 317-320
家事の外部化とは,料理や育児など家族のケアに関わる家事を市場化された製品で賄う消費行動である。先行して共働き化が進展した欧米を対象とした研究では,共働き化の影響は,世帯年収と世帯のライフステージを考慮すれば確認できないことが複数報告されているが,時系列変化に対する視点の欠如が指摘されてきたほか,元来的に構築された家族規範が異なれば影響は異なる可能性がある。本研究は,日本での共働き化が家事の外部化に与える影響を,1990~2020年の総務省「家計調査」のミクロデータで検証する。①先行研究とは異なり,日本では共働き化の影響は確認される一方,②共働き世帯と専業世帯の間の家事の外部化に関する差異が僅少化していくことを示し,考えられる可能性や研究課題を示す。