2017 年 60 巻 p. 3-12
石炭は, 化石燃料の中で最も賦存量が多く, 長期的に安定供給が見込まれる優れたエネルギー源であるが, 温室効果ガスとして注目されているCO2排出量が多い等の課題を有している。石炭を, 低炭素社会に適合させつつ利用するための方式として, 高効率な発電技術, CO2回収と組合せた技術および, カーボンニュートラルなバイオマスとの併用技術などの開発状況を, 粉体工学的視点から紹介する。また, 負荷変動の激しい自然エネルギーの欠点を補う上でも重要な, 負荷応答性に優れた石炭火力技術開発おける粉体工学の役割を明らかにする。