粉砕
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〈特集〉 先端材料創成に求められる粉体技術
コロイドの固液分離操作の新展開
入谷 英司
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ジャーナル オープンアクセス

2018 年 61 巻 p. 14-20

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抄録

濾過, 圧搾, 遠心分離などの固液分離操作では, その高性能化への要求がますます厳しくなり, 分離膜の利用など, 新たな展開も見られる。本稿では, 固液分離技術に関する最近の話題をいくつか紹介する。一回だけのデッドエンド濾過試験からナノコロイドの濾過ケークの特性を推測する手法や分析用遠心機を用いて行った遠心沈降試験から濾過特性を推算する手法を述べた。次に, 膜構造の違いによる膜ファウリング挙動を説明できる並列および直列モデルに言及するとともに, 僅かなデータから膜ファウリングの機構と量を同時に, かつ, 個別に推算する手法についても概説した。さらに, 可逆凝集を利用した超高圧圧搾により難脱水性汚泥の高速低含水率化が可能なこと, また汚泥の破砕と塩添加の相乗効果によって沈降速度が飛躍的に増大することも明らかにした。これらの結果は, 今後, 固液分離技術の発展に大きく寄与するものと考えられる。

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