粉砕
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〈テクニカルノート〉
生体適合性PLGAナノ粒子の粒子設計技術とDDS応用事例
塚田 雄亮辻本 広行三羽 信比古山本 浩充川嶋 嘉明
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ジャーナル オープンアクセス

2018 年 61 巻 p. 77-83

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抄録

微粒子を用いる薬物送達システム(DDS: Drug Delivery System)の研究が盛んに行われている。著者らは, 生体適合性であり生体吸収性でもある乳酸・グリコール酸共重合体(PLGA: Poly-Lactide-co-Glycolide Acid)ナノ粒子を薬物キャリアとして用いる医薬品製剤や医療デバイス, 機能性化粧品等の研究開発を進めてきた。PLGAナノ粒子の実用化に際しては, 著者らの粉体技術である機械的粒子複合化法を適用することによって, それまでPLGAナノ粒子の実用化に向けた課題であった凝集性やハンドリング性を克服できた。PLGAナノ粒子は種々の投与ルートで多様な有用性が確認されており, 最近では幾つかの製剤や医療デバイスが国内で臨床試験されるに至った。また, 封入薬剤の皮膚浸透性ならびに毛包深部への送達性を顕著に高めることも見出し, それらのエビデンスを基に機能性化粧品や育毛剤用の基剤として実用化を果たしてもいる。

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