ミルクサイエンス
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原報
Lactobacillus amylovorus IMC–1 によって生産される抗菌性物質の食品汚染細菌及び病原性細菌に対する抗菌作用
睦 宗洙宮本 拓片岡 啓荒木 眞由美米屋 武文瀬脇 智満
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1999 年 48 巻 2 号 p. 79-85

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抄録

 内蒙古原産チーズ起源のLactobacillus amylovorus IMC–1によって生産される抗菌性物質は, 乳酸菌や食品汚染細菌及び病原性細菌に対して幅広い抗菌スペクトルを示した。本研究では, IMC–1株が生産する抗菌性物質の抗菌作用について検索した。
 抗菌性物質はPseudomonas fragi IFO 3458とBacillus subtilis IFO 3025に対して殺菌作用を示した。一方, Staphylococcus aureus IAM 1011に対しては抗菌作用を示した。抗菌性物質の殺菌作用に及ぼすキレート剤処理や, 塩類, 金属イオン及びツイン80の影響を調べたところ, Pseudomonas fragiに対しては, EDTA存在下での抗菌性物質の添加は殺菌作用を促進した。また, Staphylococcus aureusに対しては, 抗菌性物質のみの添加で殺菌作用が見られず, EDTAの共存下で殺菌作用が起こった。塩類や金属イオンの添加は抗菌性物質の殺菌作用に影響を及ぼさなかった。しかしツイン80は殺菌作用を促進し, 濃度が高いほどその効果が強かった。

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© 1999 日本酪農科学会
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