2015 年 27 巻 3 号 p. 63-69
従来から温水用ポリエチレン管の耐久性評価として熱間内圧クリープ試験が実施されている.熱間内圧クリープ試験は実使用温度よりも高温雰囲気下で行うため,まず熱間内圧クリープ試験結果の温度依存性を確認した.その上で,暖房回路の実使用環境に近い温水循環試験を行い,双方の試験の相関性や相違点について調べた.熱間内圧クリープ試験に比べ,温水循環試験では樹脂中の酸化防止剤が循環水に溶出し酸化防止剤の消費が早まり温水用ポリエチレン管の寿命が短くなったり,真鍮製継手を使用した場合,継手部からの銅イオン溶出による温水用ポリエチレン管の劣化促進(銅害)が見られたり,割れが発生し破断に至る時間は円周応力よりも肉厚に依存する傾向があることが分った.