Papers in Meteorology and Geophysics
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原著論文
多変量最適内挿法の一般化と、その中で用いられる線形束縛条件及び共分散行列の役割
第1部 離散表現
猪川 元興
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1984 年 35 巻 3 号 p. 81-102

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抄録
 多変量最適内挿法を一般化した、統計的客観解析法が示される。一般化は二点で行なわれる。第一点は、斉次線形束縛条件が、その定式化の中に陽に組み込まれていること、第二点は、一般化された方法は、気候値及びその分散、予報値及びその予報誤差分散の両方を統一的に用いるが、従来の多変量最適内挿法は、それらの一方をファーストゲスとして用いるだけである。
 線形束縛条件と合致する共分散行列は、ちょうど変分客観解析における束縛条件と同様に、その線形束縛条件で束縛された空間への射影演算子として機能することが、Phillips (1982) とは異なる方法で示される。
 又、ここで示される方法は変分客観解析を次の二点において改良したものとみなせる。第一点は、この方法は統計的に最適な値を与えるが、変分客観解析は、その統計的意味があいまいであること、第二点は、この方法は、不規則に分布した観測点データから直接格子点上の解析値を与えるが、変分客観解析は変分法による修正を行なう前にあらかじめ観測値を格子点上に内挿する必要がある。
 この方法のいくつかの応用例が示される。例の中で、変分客観解析の弱い束縛の統計的意味が示される。又、高度場、風の場の多変量客観解析に適用できる、発散共分散モデルも議論される。
 この方法は、多変量最適内挿法と、線形束縛条件を課した場合の変分客観解析の両方をその特別な場合として含む。この方法を介して、多変量最適内挿法と、変分客観解析の間の関係が基本的に理解される。
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© 1984 気象庁気象研究所
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