日本きのこ学会誌
Online ISSN : 2432-7069
Print ISSN : 1348-7388
コーンファイバー抽出成分による食用きのこ類の子実体形成の促進
荒井 康恵鈴木 彰北本 豊白坂 憲章吉川 賢太郎阪本 禮一郎寺下 隆夫
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2004 年 12 巻 4 号 p. 171-177

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抄録
コーンファイバー(CNF)はコ-ンスターチ製造工場から多量に排出される廃棄物である.著者らは食用きのこ類の子実体(fb)形成に対するCNF-HWSF(CNFの熱水抽出物)の効果を調べた.CNF-HWSFを添加してシイタケを培養するとfbの発生フラスコ数が,供試10本中の4本(対照区)から9本に増加し,成熟fb形成日数も70日から56日に短縮した.さらに,fb収量は無添加対照区の2.0倍に増加し,促進効果はエノキタケとヒラタケでも観察れた.促進機構を探るため,シイタケをグルコース・ペプトン・酵母エキス液体培地で生育させ糖質分解酵素の生産性を調べた.培地へのCNF-HWSFの添加によって菌体外Amylase活性は3.5倍に上昇し,CMCaseおよびXylanase活性では最大活性を示す時期が接種後30日目(対照区)から10〜20日目にシフトした.
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2004 日本きのこ学会
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