日本きのこ学会誌
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マウス皮膚の発癌プロモーションにおけるメシマコブ水製エキスの抑制効果
安川 憲高橋 宏之北中 進平山 秀樹重本 桂
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2007 年 15 巻 2 号 p. 97-101

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抄録
癌の予防は,今世紀に人類が達成しなければならない重要な課題の一つである.疫学調査により,発癌要因の大半は,生活環境,生活習慣に由来するものであることが指摘され,中でも食生活,喫煙が大きな要因として注目されている.発癌過程は,大きく二つのステージ,即ちイニシエーションとプロモーションに分けられることが知られている.癌を抑制するには,長期間を要しある程度可逆的といわれるプロモーション過程を目標とするのが現実的といわれている.メシマコブ(Phellinus linteus)は,韓国において人工培養に成功し癌治療薬として使用されている.我国では,健康食品として癌に使用する人が少なくない.メシマコブの熱水抽出エキスの経口投与は,DMBAとTPA及びDMBAとTPAプラスmezereinによるマウス皮膚二段階発癌において対照群と比較して腫瘍発現率及び平均腫瘍数を抑制した.
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2007 日本きのこ学会
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