日本きのこ学会誌
Online ISSN : 2432-7069
Print ISSN : 1348-7388
15 巻, 2 号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
  • 塩見 紅, 原口 弥生, 野上 友美, 北本 豊
    原稿種別: 本文
    2007 年15 巻2 号 p. 79-84
    発行日: 2007/07/31
    公開日: 2018/03/15
    ジャーナル フリー
    4つの不和合性因子サブユニット遺伝子,1つの形態学的形質を示す遺伝子および21の栄養要求性遺伝子をマーカーとして,エノキタケの連鎖分析を行い,7連鎖群からなる連鎖地図を作製した.この連鎖地図をスエヒロタケおよびネナガノヒトヨタケの連鎖地図と比較したところ,いずれのきのこにおいても相当する連鎖群上に共通の遺伝子が存在する可能性が示唆された.
  • 大槻 誠, 梅下 和彦, 苔庵 泰志, 西井 孝文, 坂倉 元, 柳田 晃良, 久松 眞, 古市 幸生
    原稿種別: 本文
    2007 年15 巻2 号 p. 85-90
    発行日: 2007/07/31
    公開日: 2018/03/15
    ジャーナル フリー
    本研究では,現代の日本人の摂取脂質エネルギー量増加に伴う肥満に注目し,ブナシメジ(Hypsizigus marmoreus)を含んだコレステロール添加あるいは無添加の高脂肪食を調製してラットに与え,脂質代謝改善作用について検討した.その結果,飼料摂取量は,コレステロール負荷の有無にかかわらず,対照群と比較してブナシメジ群で有意な低値が認められた.しかし,体重増加量に差は無かった.肝臓重量は,コレステロール添加のブナシメジ群で,有意な低値を示した.肝臓総脂質含量と肝臓トリアシルグリセロール(TG)は,コレステロール負荷の有無にかかわらずブナシメジ群で,有意な低値を示した.なお,コレステロール添加のブナシメジ群で,血清総コレステロール(TC)は有意な低値を示した.これらの結果より,コレステロール負荷の有無にかかわらず,ブナシメジ子実体には肝臓脂質蓄積抑制作用があることが示された.また,ブナシメジには食餌性コレステロールの血清TCを低下させる作用もあることが示された.
  • 青山 政和, 齋藤 伸吾, 清遠 匡章, 富樫 巌, 原 高明, 八木 勇三, 木村 晃久, 米山 彰造
    原稿種別: 本文
    2007 年15 巻2 号 p. 91-96
    発行日: 2007/07/31
    公開日: 2018/03/15
    ジャーナル フリー
    マンネンタケ子実体中の降圧成分の性状を明らかにするために,n-へキサンおよび水抽出物のアンギオテンシンI変換酵素(ACE)阻害活性を検討した.n-へキサン抽出物のACE阻害活性は水抽出物のそれよりも低く,ACE阻害活性成分が親水性物質であることを示した.2種の異なる菌株から栽培されたマンネンタケ子実体水抽出物のACE阻害性をLineweaver-Burkの方法で評価し,その阻害様式が競合阻害型であることが示された.水抽出物中には温和なACE競合阻害剤であるD-マンニトールなどの糖アルコール類が検出されたが,水抽出物のACE阻害活性はそれら糖アルコール類の阻害活性よりも高く,水抽出物中により阻害活性の高い成分の存在が示唆された.
  • 安川 憲, 高橋 宏之, 北中 進, 平山 秀樹, 重本 桂
    原稿種別: 本文
    2007 年15 巻2 号 p. 97-101
    発行日: 2007/07/31
    公開日: 2018/03/15
    ジャーナル フリー
    癌の予防は,今世紀に人類が達成しなければならない重要な課題の一つである.疫学調査により,発癌要因の大半は,生活環境,生活習慣に由来するものであることが指摘され,中でも食生活,喫煙が大きな要因として注目されている.発癌過程は,大きく二つのステージ,即ちイニシエーションとプロモーションに分けられることが知られている.癌を抑制するには,長期間を要しある程度可逆的といわれるプロモーション過程を目標とするのが現実的といわれている.メシマコブ(Phellinus linteus)は,韓国において人工培養に成功し癌治療薬として使用されている.我国では,健康食品として癌に使用する人が少なくない.メシマコブの熱水抽出エキスの経口投与は,DMBAとTPA及びDMBAとTPAプラスmezereinによるマウス皮膚二段階発癌において対照群と比較して腫瘍発現率及び平均腫瘍数を抑制した.
  • 阿部 正範
    原稿種別: 本文
    2007 年15 巻2 号 p. 103-108
    発行日: 2007/07/31
    公開日: 2018/03/15
    ジャーナル フリー
    菌床シイタケ栽培における,発光ダイオード(LED)の照射効果について検討した.青色LED(470nm),赤色LED(625nm),緑色LED(520nm)照射が,菌糸体生長に及ぼす影響について調べた.菌糸体の生長量は,音色LEDが最も少なく,赤色LED,緑色LEDは,蛍光灯と比べて生長量に差は認められなかった.このことから,菌糸体が蔓延するまでの期間である種菌接種後,約30日間(菌まわし期間)は,LED の照射は不適であることが判明した.次に,青色LEDの照射が,子実体発生に及ぼす影響について調べた.子実体の発生量は,培養期間(菌まわし以降)に青色LEDを照射すると増加し,発生期間に照射すると減少した.以上のことから,菌床シイタケ栽培では,青色LEDの照射は,菌まわし後の培養期間が,子実体発生量を増加させるのに最も有効であることが判明した.
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