日本きのこ学会誌
Online ISSN : 2432-7069
Print ISSN : 1348-7388
きのこの新たな機能性の探索
近藤 隆一郎
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2014 年 21 巻 4 号 p. 155-164

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抄録
きのこの新たな機能性の探索を試み,機能性食品,バイオエネルギー,バイオレメディエーション分野への応用を指向した.担子菌は,森林生態系において分解者として重要な役割を果たし,地球環境の炭素循環に大きく寄与している.白色腐朽菌は,他の微生物が保持していない特異なリグニン分解酵素系を有しており,リグニンのみならず広範な環境汚染物質の分解能力を有している.白色腐朽菌によるPOPs(Persistent Organic Pollutants:残留性有機汚染物質)の分解代謝経路を明らかにし,きのこによるバイオレメディエーションへの応用の可能性を示唆した.エタノールは,化石燃料に代わるバイオ燃料として注目されている.リグノセルロースからのバイオエタノールの効率的生産を目指して,発酵能を有する白色腐朽菌(Phlebia sp. MG-60)によるワンポット発酵の可能性を示唆した.霊芝は,多機能性の薬用きのことして,古来より種々の症状の治療に用いられてきた.霊芝の新たな機能性を探索した結果,霊芝アルコール抽出物に,顕著な前立腺肥大抑制効果を見出した.臨床試験の結果,統計的に有意な効果を認めた.さらに,骨密度改善効果を示すことも明らかにし,「骨粗鬆症改善活性」の可能性が示唆された.
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2014 日本きのこ学会
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