日本きのこ学会誌
Online ISSN : 2432-7069
Print ISSN : 1348-7388
21 巻, 4 号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
  • 近藤 隆一郎
    原稿種別: 本文
    2014 年21 巻4 号 p. 155-164
    発行日: 2014/01/31
    公開日: 2018/03/15
    ジャーナル フリー
    きのこの新たな機能性の探索を試み,機能性食品,バイオエネルギー,バイオレメディエーション分野への応用を指向した.担子菌は,森林生態系において分解者として重要な役割を果たし,地球環境の炭素循環に大きく寄与している.白色腐朽菌は,他の微生物が保持していない特異なリグニン分解酵素系を有しており,リグニンのみならず広範な環境汚染物質の分解能力を有している.白色腐朽菌によるPOPs(Persistent Organic Pollutants:残留性有機汚染物質)の分解代謝経路を明らかにし,きのこによるバイオレメディエーションへの応用の可能性を示唆した.エタノールは,化石燃料に代わるバイオ燃料として注目されている.リグノセルロースからのバイオエタノールの効率的生産を目指して,発酵能を有する白色腐朽菌(Phlebia sp. MG-60)によるワンポット発酵の可能性を示唆した.霊芝は,多機能性の薬用きのことして,古来より種々の症状の治療に用いられてきた.霊芝の新たな機能性を探索した結果,霊芝アルコール抽出物に,顕著な前立腺肥大抑制効果を見出した.臨床試験の結果,統計的に有意な効果を認めた.さらに,骨密度改善効果を示すことも明らかにし,「骨粗鬆症改善活性」の可能性が示唆された.
  • 原田 栄津子, 永冨 文子, 雉子谷 佳男, 目黒 貞利, 上米良 壽誕
    原稿種別: 本文
    2014 年21 巻4 号 p. 165-171
    発行日: 2014/01/31
    公開日: 2018/03/15
    ジャーナル フリー
    栄養添加物としてソバ焼酎粕(SDW)を液体培地に添加した際のGrifola gargal菌糸体のベンズアルデヒド(BAH)生成に及ぼす影響を酵母エキスおよびポリペプトンと比較検討した.蒸留水で10倍希釈したSDW水溶液と,酵母エキスおよびポリペプトンの両方を置き換えた場合,G. gargalの菌糸体量とBAH生成量は,PGY培地(ポリペプトン,酵母エキス,およびグルコース)と比較してそれぞれ3倍量と2倍量に増加した.ただし,SDWに1%グルコースを添加することがBAH生成にとって必要であった.BAH生成にとって最適な培地(SDW+1% glucose)での菌糸体あたりのエルゴチオネイン(EGT)量はほぼ,PGY培地と変わらない値であったが,液体培地あたりの菌糸体量が増加しているため,培地あたりのEGT生産量は3倍に増加した.これらの結果から,G. gargalの液体培養でのBAHおよびEGT生成において,SDWは合理的で優れた栄養添加物であることがわかった.
  • 福田 泰久, 伊藤 克海, 白坂 憲章, 楠田 瑞穂, 三原 聡, 山中 勝次, 寺下 隆夫
    原稿種別: 本文
    2014 年21 巻4 号 p. 172-176
    発行日: 2014/01/31
    公開日: 2018/03/15
    ジャーナル フリー
    ブナシメジ(Hypsizygus marmoreus)栽培において,菌かき後に培養基内で活性が上昇する中性プロテアーゼは,本菌の子実体形成に深く関わることが考えられる.子実体収穫後の培養基をプロテアーゼ源として,菌糸体内由来の中性プロテアーゼ(PE-4)の酵素精製と諸性質の検討を行った.PE-4は,セリンプロテアーゼ阻害剤であるPMSF,AprotininとPefabloc[○!R]SCによって完全に活性を失ったが,Phosphoramidonに感受性を示さなかった.阻害剤の影響およびN末端アミノ酸配列の結果から,PE-4はセリンプロテアーゼであると結論した.金属プロテアーゼ阻害剤であるPhosphoramidonは,本菌の子実体形成を著しく阻害するため,PE-4は子実体形成に深く関わらないことが示唆された.菌かき後から子実体成熟期における菌糸体より粗酵素を抽出し,中性プロテアーゼ活性に対するPhosphoramidon,PMSFとEDTAの阻害度合を測定したところ,PMSFによる完全な阻害は受けなかった.子実体形成においては,PE-4以外に活性化されているプロテアーゼの重要性が示唆された.
  • 佐々木 史, 山内 隆弘, 高橋 信, 枝 克昌, 鮎澤 澄夫
    原稿種別: 本文
    2014 年21 巻4 号 p. 177-180
    発行日: 2014/01/31
    公開日: 2018/03/15
    ジャーナル フリー
    ミズナラはシイタケの菌床栽培において一般的には使用されてこなかった.そこで,特性の異なるシイタケ3品種を用いて,ミズナラの菌床栽培適性を検討した.その結果,ミズナラ培地における子実体収量は一般的に使用されるスダジイおよびコナラの混合培地と比較し高くなった.さらに,菌床残存率においても対照区の培地と比較し高くなり,子実体発生から150日経過した後も,70%以上の残存率を示した.これらのことからミズナラはシイタケの菌床栽培に適し,発生期間が5か月を超える栽培にも適合していると考えられた.
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