抄録
検体原木数の増加による信頼性向上と効率性を目的として非破壊検査装置による測定方法を検討した.非破壊検査装置は高感度シンチレーター結晶(Ce:Gd3(Al,Ga)5O12(Ce:GAGG)) と半導体受光素子を組み合わせた検出器で構成されている.非破壊検査装置で測定した原木中の放射線(CPS)はBq/kg に換算した.伐採適期(9 月下旬から10 月下旬)の原木含水率は40 から43% の範囲であった.原木密度は1.0-1.1 の範囲にあった.被検体重量と機器換算係数の回帰直線の傾斜は原木や標準体積線源の含水率により異なることが明らかとなった.そこで,標準体積線源については生木原木を直幹円筒状に加工したものに,一定量の放射性Cs を染み込ませた紙を巻き付けた後,PE フィルムで覆い,さらに,その表面を繊維強化プラスチック(FRP)で加工したものに改良したところ,良好なデータの近似性が確認できた.