抄録
きのこ腐敗病はきのこ生産において深刻な被害を与える重要な病害である.きのこ腐敗病病原菌Pseudomonas tolaasiiは,広範なきのこ類の子実体に褐変を引き起こすトラシンを分泌する.本報では,本病害の生物防除剤の開発を目的として,健全なシイタケ子実体の細菌叢解析とトラシン解毒細菌の分離を試みた.シイタケ子実体の細菌叢は多様な細菌種から構成され,その多様な細菌叢はシイタケ子実体の生育ステージにかかわらず維持されていた.トラシン解毒菌としてBacillus属,Leifsonia属,Microbacterium属,Paenibacillus属,Plantibacter属,Pseudoxanthomonas属,Sphingobacterium属,Streptomyces属の分離菌株をシイタケ子実体から得た.Pseudoxanthomonas属の分離菌株と本属の基準菌株についてトラシン解毒能を評価したところ,本属には高いトラシン解毒能が保存されていることが示唆された.