抄録
マイタケが液体培養液中に生産する主要ラッカーゼアイソザイム(Lac1)をコードするcDNA(lac1 cDNA)のクローニングと解析を行った.lac1 cDNAは21残基のシグナル配列とそれに続く499残基の成熟タンパク質をコードする.
シグナル配列領域を含むlac1 cDNAをPichia pastorisで発現させた結果,培地中に組換えLac1(rLac1)が生産された.培地へのCuSO4の添加はrLac1の活性発現に有効であった.分子量の解析結果から,rLac1が高度にグリコシル化していることが示唆された.また,rLac1をマイタケの培養液から調製したLac1(nLac1)と比較すると,各種基質に対するkcat/Km値は低下したものの,酸性領域や高温度領域における安定性が増強した.さらに,rLac1はnLac1と同様に各種合成色素に対する高い分解能を示した.以上の結果から,rLac1の応用面におけるより高い有効性が示された.