抄録
白色腐朽菌シイタケからGHファミリー28に属するポリガラクツロナーゼLePG28Aを精製し,その特性を解析した.LePG28Aはポリガラクツロン酸をエンド型に分解した.木材中のペクチンはカルシウムによる架橋構造でゲル化している.そこで,ポリガラクツロン酸Caゲルに対する酵素活性を評価したところ,酢酸緩衝液中では分解しなかったが,シュウ酸緩衝液中ではポリガラクツロン酸Caゲルを分解することができた.LePG28AはpH 4.0,70℃の条件下で最も高い活性を示した.温度安定性について,pH条件を変えながら評価したところ,中性条件下よりも酸性条件下での温度安定性が高いことが明らかになった.よって,LePG28Aはシュウ酸と協調的に働くことで木材中のペクチンを分解している可能性が示唆された.