抄録
シイタケ栽培で菌床表面に形成された褐色皮膜に生息する微生物叢はまだ検討されていない.そこで,本研究は,褐色皮膜に生息する微生物群集を調べ,栽培ステージの判別を目的とした潜在的な微生物バイオマーカーを探す.その結果,細菌の組成においては,子実体の第1回発生ではFirmicutes門が相対的に多く,その一方で,第3回発生(最終回)ではProteobacteria門の相対量が最も多かった.そのため,褐色皮膜に第1回発生と第3回発生の微生物群集構造が異なることがわかった.バイオマーカーの探索においては,Bacillus属が第1回発生に,Burkholderia-Caballeronia-Paraburkholderia属とSphingomonas属が第3回発生に線形判別分析によって選択された.得られた結果から,Bacillus属が第1回発生を,Burkholderia-Caballeronia-Paraburkholderia属とSphingomonas属が第3回発生を判別できる潜在的な微生物バイオマーカーだと考えられた.