抄録
本研究では,エノキタケ(白エノキおよび茶エノキ)の組織構造と破断強度に関する解析を行い,菌糸の密度や配向がその力学特性に影響を与えている可能性を明らかにした.2種のエノキタケの構造的違いが,食感の違いに関連していると推測される.また,エノキタケの柄には中央に中空構造が存在し,これが軽量かつ強度を保つ上で重要な役割を果たすことが示唆された.これらの特徴は,エノキタケをバイオベース材料として活用する可能性を広げると期待される.例えば,中空構造を活かした軽量で強度のある緩衝材や梱包材の応用,菌糸の配向性を活かした紙やフィルム状成形体の強度向上が見込まれる.さらに,白エノキと茶エノキの構造特性の違いから,用途に応じた機能性設計が可能であり,持続可能な素材としての展開が期待される.食品分野にも応用可能性があり,食感設計においてエノキタケの有用性が期待される.