農研機構研究報告
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原著論文
蒸切干が淡橙色で外観・品質が良好なサツマイモ品種 「ほしあかね」の育成
西中 未央 藏之内 利和片山 健二高田 明子藤田 敏郎
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2022 年 2022 巻 11 号 p. 1-13

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抄録

蒸切干(干しいも)は,サツマイモを蒸して乾燥させた農産物加工品で,重要な地域特産物となっている.現在蒸切干に用いられている品種の多くは黄肉であり,色調に区別性のある品種が求められているが,橙肉の既存品種「ヒタチレッド」は,いもの形状や栽培特性に問題があり,これらの欠点を改良した品種の育成が望まれていた.そこで,蒸切干の色調が淡橙色で従来の黄色とは異なる蒸切干加工用品種「ほしあかね」を育成した.「ほしあかね」は既存の橙肉品種「ヒタチレッド」で問題となっているいもの裂開や形状の乱れが少なく,苗床での萌芽性やサツマイモネコブセンチュウ抵抗性が「ヒタチレッド」よりも優れる.「ほしあかね」は淡橙色で透明感のある蒸切干に加工でき,蒸切干の食味は,ねっとりした食感と甘味の強さで人気の高い「べにはるか」並に優れる.

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