農研機構研究報告
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原著論文
良日持ち性ダリア新品種「エターニティムーン」および「エターニティサンセット」の育成とその特性
小野崎 隆 藤本 卓生東 未来
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2024 年 2024 巻 19 号 p. 43-

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抄録

ダリアは切り花の日持ち性に劣るため,2014年から日持ち性の向上を目標としたダリア育種を開始した.22品種を育種材料として品種間交雑を行い,日持ち日数による選抜とその選抜系統間での交雑を,2014年から2021年まで4世代繰り返した.2021~2022年に系統適応性検定試験を実施した結果,白色花色の第4世代系統909-4,および花色が観賞中に明赤色からアプリコット色に変化する第3世代系統916-34の2系統が新品種候補として有望と判定され,2023年7月に,それぞれ「エターニティムーン」および「エターニティサンセット」として品種登録出願した.2品種の最大の特徴は,優れた日持ち性である.2021~2022年の調査で,2品種の日持ち日数は,蒸留水で8.4~12.1日(切り花用主要品種「かまくら」の1.5~2.2倍),品質保持剤のGLA液で8.8~11.9日(「かまくら」の1.5~1.9倍)であった.2021~2022年に全国5カ所で栽培時期の異なる作型で栽培した切り花も同様の良日持ち性を示したことから,2品種の優れた日持ち性は環境によるものではなく,品種特性であることが明確に示された.

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著者は自身の論文の著作権を保持し、国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構に対し農研機構研究報告からの論文の出版を許諾する。
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