ネットワークポリマー
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チイラン構造の導入によるエポキシ系接着剤の改質
モデル反応による反応機構の検討
飯島 孝雄伊藤 剛友井 正男井川 勝弘知野 圭介
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2000 年 21 巻 1 号 p. 9-16

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抄録
チイラン構造の導入によりエポキシ系接着剤の硬化は促進される。この原因を, モデル反応により検討した。モデル化合物としてフェニルグリシジルエーテル (PGE), フェノキシメチルチイラン (PT), 一級アミンとしてアニリン, シクロヘキシルアミン, n-オクチルアミンを用いた。PTとアミンの反応では初期反応は早いが平衡反応が存在すること, PGEとアミンの反応では初期反応はPTとの反応より遅いが, 平衡反応は存在しないことを示した。PGEとPTを共存させて反応すると, PGEの初期反応はチオラートアニオンにより促進され, PTの平衡反応はPGEにより阻害され, 両者の反応が相乗的に促進されることを見いだした。この促進効果が, チイラン構造を導入したエポキシ系硬化剤の速硬化の原因であると推定した。
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