抄録
本論は、「食」を目的とした旅である「フードツーリズム」を中心とした地域振興における食資源の体系的整理をおこなうものである。本研究では、まず、観光実態と観光研究における「食」の位置づけを確認したのちに、日本の「(一般)観光資源分類」を概観した。次に、世界的に示されたUNWTO(2021)『ガストロノミーツーリズム発展のためのガイドライン』を確認した。その後、「食」に関わる観光資源として、より広い観点から対象とする範囲を再定義している。最後に、これら「食」に関わる資源を可能な範囲で網羅的に挙げ整理することで「地域振興における食資源体系の概念モデル」を試作した。