抄録
目的:当クリニックでは,職域における乳がん検診を実施している.その検査項目は,健康保険組合や事業所によってさまざまである.起こり得た事例をもとに,個別対応での乳がん検診を目指し,受診者にとって最適な乳がん検診を提供できるようなシステムを構築する.
方法:乳がん検診受診者に対し,「次回検査推奨項目」を設定した.これは,乳腺担当医が読影の際に,所見の有無や乳腺構造を考慮し,次年度の検査項目を提案する.これを結果管理システムに取り込み,乳がん検診受診後,結果帳票に印字し,次年度の乳がん検診項目を明確にした.検診当日に,受診者が「次回検査推奨項目」に見合わない検査項目を選択している際には,受診者本人へ直接紙面および各部署からの説明にて,項目の追加・変更を促した.
結果:「次回検査推奨項目」を受診者に伝達することは,乳がん検診の一つの啓発活動である.経年受診者においては,「次回検査推奨項目」は浸透しつつあり,検査項目の追加・変更を確実に行うことにより,がん発見率の向上に役立った.「次回検査推奨項目」を,結果管理システムに取り込んだことにより,医師をはじめ看護師・放射線技師・検査技師・受付スタッフ・情報管理課など各部署の共有情報とすることができた.
結論:個々にあった最適な乳がん検診が提供できるようなシステムが構築できた.