西日本皮膚科
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協賛論文
Persistent Mosaic ErythrokeratodermaとParakeratosis Variegata
肥田野 信中島 静香
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1981 年 43 巻 Suppl 号 p. 1056-1061

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抄録

Parakeratosis variegataと苔癬様類乾癬との異同についてはもとから種々の議論があるが, 最近のSammon, Degosらの見解ではこれらを別症とし, しかも類乾癬の各型の名称にも変更が加えられている。そこで混同を招く虞れのあるこれらの用語は廃する方がよいと思われる。9才で発病した10才女子のほぼ全身にわたる落屑性紅斑を10年間追跡した。自覚症状なく, 組織学的には非特異的で, 皮疹特徴は淡紅~褐紅色の粃糠様落屑を有する紅斑が複雑に交錯し, 丘疹も見られる点である。一部は大理石模様を呈した。ソランタール, ユベラは無効, ステロイド, 尿素, アンスラリンなどの外用も無効だつたがoral retinoidで軽快中。本症例を文献例と比較し, 新しいentityとしてpersistent mosaic erythrokeratodermaの名を提唱した。

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© 1981 日本皮膚科学会西部支部
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