抄録
放射線治療が原因と考えられた頚動脈狭窄症に対し、頚動脈内膜剥離術(CEA)を施行した1例を経験した。症例は左耳下腺腫瘍切除後、放射線治療歴のある60才男性。右片麻痺のTIAを繰り返し、脳血管撮影で左頚動脈に4椎体に及ぶ潰瘍形成を伴った狭窄病変を認め、saphenous vein patchを用いた13cmにわたるCEAを施行した。plaqueは病理学的にはatheromatous plaqueと同様の所見だが、表面は潰瘍を伴った非常にirregulerな状態であった。過去268例のCEAで放射線治療が原因と考えられた症例は初めてであり文献的にも稀である。一般に手術手技は困難といわれているが、有効な治療法であると考えられたので報告した。