抄録
腫瘍特異的MR診断薬の開発を目的とし、腫瘍集積性ポルフィリン化合物(ATN-10)にMRI用ガドリニウム(Gd)造影剤(Gd-DTPA)を付けた化合物を作成し、MRIによる画像診断と誘導結合プラズマ分光分析装置による組織内Gd濃度の定量を行った。結果としては、本造影剤は組織T1緩和時間の短縮効果を有し、腫瘍内には薬剤投与後30分をピークとし、24時間まで留まった。正常脳や皮膚にはほとんど取り込まれなかった。Gd-ATN10は従来のGd-DTPAに比べて長時間腫瘍内にとどまり、腫瘍特異的造影剤として用いられる可能性がある。また、Gdを利用した中性子捕捉療法への応用の可能性も今後の検討課題である。