抄録
成熟ラットの脊髄半側切断モデルに支持物質を植え込み、脊髄神経の再生を観察した。7日後の切断部には、遊走細胞とラミニン陽性の毛細血管が出現し、3週後にはアストログリアの増生が見られたが、4週までには細胞反応は消失し、全例に空洞が形成された。再生軸索は近位部にわずかに見い出された。支持物質(増生シュワン細胞を含む座骨神経、メンブランフィルター)を植え込んだ動物では、空洞形成はなくグリア反応も抑制された。成長円錐を伴う再生軸索が支持物質内に観察された。しかしながら、遠位部脊髄に達する再生軸索は得られなかった。脊髄神経は支持物質の存在下に再生が可能であるが、再生軸索伸展には損傷後の末精神経に見られるような環境が必要である。