抄録
もやもや病、一側もやもや病、類もやもや病の患者における遺残原始動脈の合併について検討した.もやもや病(39例)、一側もやもや病(6例)、類もやもや病(5例)を対象とした.女性35例、男性15例、年齢は3-63歳であった.内頚動脈-脳底動脈の遺残原始吻合が3例で、眼動脈の中硬膜動脈起始が5例で認められた.遺残原始動脈の合併頻度は、もやもや病患者(10.7%)と類もやもや病患者(60%)では、他の疾患で脳血管撮影を受けた患者(0.67%)よりも有意に高く(p<0.001)、もやもや病の病因に先天的な要因が重要な役割を果たしていると考えられた.