抄録
トルコ鞍部腫瘍で無症候性か,一過性の症状のため経過観察した成人23症例から,その自然歴・手術適応を考察した.観察期間5.1年(1.5-11.6).<嚢胞性10例>3例は頭痛で発病.腫瘤径は信号強度の変化に伴い減少.4例は視野障害で発病し,腫瘍径の縮小に伴い症状は消失.うち3例で再発し手術を施行.組織はラトケ嚢胞.3例の偶然発見例は無症状で経過.<実質性13例>14mm以上の径の9例中6例は4.9年(1.5-8)後症候性となり治療を要した.他の例は変化無し.嚢胞例では高頻度に症状の変化に一致して径の減少を確認.無症候性か一過性の症状の嚢胞例では経過観察が推奨出来る.実質例で14mm以上の径を有する例では積極的な治療を要する.