頸動脈内膜剥離術(CEA)を施行した72例に脳血管撮影時に冠動脈撮影を施行し,冠動脈の狭窄の程度をGensi score(GS)で評価した。心筋虚血の既往があった14例でのGSは既往がなかった群(n=58)のGSより有意に高かった。(37.9 ± 36.8 vs 7.9 ± 12.5, p<0.0001)。しかし既往がなかった群でもGSが6以上の症例が39.7%に認められた。72例中14例(19.5%)に対して冠動脈血行再建術をCEAの前後で施行した。冠動脈撮影を施行した群では周術期および追跡時に心筋虚血を呈した症例はなかったが、冠動脈撮影を施行しなかった群(n=189)では2例が術後に、追跡時に18例が心筋虚血で死亡した。冠動脈病変の評価と治療がCEAの予後を改善することを示した。
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