抄録
症例は66歳女性で急激な頭痛で発症し、その翌日には眼球突出、視力低下、複視を伴うようになってきた。神経学的所見では眼球突出、眼球結膜の充血、視力低下、眼球運動障害を認めた。右内頚動脈撮影で、内頚動脈部動脈瘤破裂によるdirect typeの内頚動脈海綿静脈洞瘻を認めた。経動脈的にGugulielmi Detachable Coils(GDCs)を動脈瘤内に挿入し、瘻孔の動脈側での閉塞を行った。視力、眼球突出、眼球結膜の充血の改善は数日後に認められ、6カ月後に複視も消失した。経動脈的なGDCによる動脈瘤内塞栓も、動脈瘤破裂による内頚動脈海綿静脈洞痩に対する一つの治療の選択肢になると思われた。