日本食品科学工学会誌
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研究ノート
エダマメ中のγ-アミノ酪酸 (GABA) 含量の差異
阿部 利徳竹屋 佳奈子
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2005 年 52 巻 11 号 p. 545-549

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抄録

エダマメ用ダイズ6品種および普通ダイズ2品種の合計8品種を用いて, 開花後35日における未熟子実の子葉の遊離アミノ酸含量およびγ-アミノ酪酸 (GABA) 含量を調べた. 未熟子実のGABA含量には顕著な品種間差異が認められた. エダマメ用ダイズ品種のうち, 白山ダダチャおよび早生白山の2品種が新鮮重100g当たり50mg以上含有しており, 全遊離アミノ酸の5~6%を占めた. エダマメ用ダイズ品種, 白山ダダチャの子葉部と胚軸部 (幼芽および幼根を含む) では, 遊離アミノ酸含量のパターンが大きく異なっていた. 子葉部では, アラニン, アスパラギンおよびグルタミン酸が多いのに対し, 胚軸部ではアルギニン, アラニン, α-アミノ酪酸 (AABA) およびチロシンが顕著に多かった. 白山ダダチャの子葉の全遊離アミノ酸含量は開花受精後30日まで増加し, それ以降は成熟に従い減少した. GABAは開花後15日から新鮮重100g当たり約50mg含有し開花後35日後までほぼ一定量の蓄積があったが, それ以降成熟に従い低下した. GABAの合成を触媒するグルタミン酸デカルボキシラーゼ (GAD) の発現をノーザンブロッティングにより調べた結果, GADのmRNAは, 開花15~35日に多く, コンスタントに発現し, 開花40日以降の登熟後期には低下した. 開花後登熟期の子葉におけるGABA含量は, GAD遺伝子の発現にほぼ比例していた.

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© 2005 日本食品科学工学会
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