日本食品科学工学会誌
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チョコレートの味と香りに対する快適感と性別およびパーソナリティの関係
恒次 祐子芦谷 浩明嶋田 真知子上脇 達也森川 岳小島 隆矢宮崎 良文
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2005 年 52 巻 8 号 p. 347-354

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抄録

5種類の味と香りの異なるチョコレートに対する主観的快適感と被験者の性別およびパーソナリティの関係を検討したところ, 以下の結果が得られた.
1) 女性群においては,
i) チョコレート全体に対する快適感が男性群よりも有意に高いこと, ならびに個別のチョコレートについては, 苦みを強くしたチョコレートにおいて快適感が男性群よりも有意に高く, オーク材抽出物を添加したチョコレートにおいても高い傾向にあることが認められた.
ii) 快適感に対する男性性ならびに女性性の有意な正の影響が認められた.
2) 男性群においては,
i) 快適感に対するタイプA型傾向の有意な正の影響が認められ, 特性不安の有意な負の影響が認められた.
3) チョコレート別の快適感とパーソナリティとの関係について,
i) 男性群においてはオーク材抽出物添加チョコレートの快適感と女性性との間に有意な正の相関が認められた.
ii) 女性群においてはオーク材抽出物添加チョコレートならびに甘みを強くしたチョコレートの快適感と男性性との間に有意な正の相関が認められた.
以上により, チョコレートの快適感に評価者個々人のパーソナリティが影響を与えていることが明らかとなった. 今後個人の価値観や好みを重視したチョコレートの創造を検討していく上で, 有用な示唆を与えるものと考えられる.

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© 2005 日本食品科学工学会
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